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ホルモンはごく微量でも非常に強い効果があり、ホルモンの種類によって特定の臓器または組織に影響を与えます。1~2つの臓器に作用するホルモンや、全身に影響を与えるホルモンもあります。ここでは、ホルモンの種類と働き、不足することによる影響を紹介します。
DHEAは体内に多く存在するホルモンで、近年、補充療法の中心となりつつあります。副腎から分泌され、全身広範囲にわたって働きかけます。DHEAは「ホルモンの母」とも呼ばれ、直接人体に働きかけるだけでなく、体内でエストロゲンやテストステロン、プロゲステロンへと変化します。
DHEAは免疫システム、性欲、代謝、精神の安定に深く関係することがわかってきました。ストレスホルモンを調整し、強力な抗酸化作用で免疫システムに働きかけるのです。
FDA(米国食品医薬品局)も全身性エリテマトーデス(SLE)、結合組織系の障害など、痛みを伴う重病にも効果的であるとの見解を示しています。
甲状腺から分泌される代謝ホルモンは体温、エネルギー、代謝、大脳機能を調節しています。甲状腺ホルモンは脂肪を分解して、体重とコレステロール値を減少させます。また、心臓病、記憶障害を予防します。
エストロゲンは更年期女性にみられる症状の治療薬として40年以上使用されてきたホルモンです。更年期症状をくい止めるだけでなく、女性の肌やシワ、髪の毛、性欲を改善することがわかりました。このため、更年期症状がなくなった後も、補充を希望する女性が多くいらっしゃいます。通常、女性は40代半ばになると、エストロゲンレベルが低下し、更年期を迎えます。そして、肉体的、精神的に不快で不安定な症状が続きます。エストロゲンを補充することで、心臓病、アルツハイマー病、のぼせ、膣の乾燥、鬱、不眠、集中力の低下、体重の増加、肌や髪質の変化などの症状を改善します。
また、近年の研究では「記憶力改善」にも効果があると報告されています。
エストロゲンと相乗的に働くもう一種類の女性ホルモンがプロゲステロンです。このホルモンはよく見落とされがちですが、エストロゲンが過剰に子宮増殖、子宮出血を促進してしまうことを防ぎ均衡を保ってくれます。
プロゲステロンはエストロゲンと共同で作用し、加齢や更年期に伴う諸症状を改善します。また、コレステロール、プラーク形成、うつ病、子宮萎縮に対して優れた効果を有するエストロゲンの働きを高めてくれます。
メラトニンは脳の松果体で合成されるホルモンで、内分泌系と免疫系の両方に働きかけます。体内で素早く代謝され、必要な量だけ使われます。
メラトニンが身体のエイジングに関与していると考える研究者もおり、誰もが必要とするホルモンであることは間違いありません。メラトニンにより深い眠りの周期を調整され、深い眠りを得ることで免疫機能が活性化されます。強力な免疫システムは風邪ウイルスからがん細胞に至るまで、様々な外部からの侵入者に対して抵抗し、身体を守ってくれます。
また、間接的に乳がん細胞や前立腺がん細胞を攻撃することがわかっています。New England Journal of Medicine(1997年1月号)では、メラトニンは強力な抗酸化物質で、抗がん作用も期待される因子であるとして絶賛を浴びています。何百にも及ぶ研究で、メラトニンはフリーラジカルを除去する効果や抗がん作用を持ち、若い頃と同じ睡眠周期に戻すことが明らかにされています。
テストステロンは男性ホルモンとして知られていますが、適度なテストステロンは骨密度と骨形成を高め、エネルギーや性欲を増進させます。
成長ホルモン(Human Growth Hormone;HGH)は、脳の下垂体前葉で作られ、血液にのって全身に運ばれています。成長ホルモンは身体のあらゆる成長に関わっており、主なものでは骨や筋肉の成長、代謝・血糖値のコントロール、エイジングケア、脂肪の代謝などがあげられます。また、タンパク質の合成を促し、損傷を受けた筋肉線維の修復を促す働きもあります。
適度な成長ホルモンは、筋肉量を増やし、体脂肪量を減らします。医学雑誌に論文が発表されて以来、エイジングケアの中心的役割を担っています。
プレグネノロンは副腎と脳内で作られていて、全身に働きかける神経ホルモンの一つです。
DHEA同様「ホルモンの母」とも呼ばれ、プレグネノロンが原料となり、DHEA、エストロゲン(卵胞ホルモン)、テストステロン、コルチゾールなどのホルモンが生成されます。主に、脳機能の発揮に寄与します。
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